2014/04/07

悲しき口笛を聴きながら

何気なく人差し指でiPhoneの画面を滑らせていますと、行き着いた先は美空ひばりさんの「悲しき口笛」の再生ボタンでした。

朗らかに、それでいて慎ましく耳に流れてくるその唄声は、憂鬱な出来事なんてぽーいとどこかへ投げ飛ばしてくれます。
歌っちゅーもんはどうしてこうも素敵なのでしょう。

悲しき口笛を聴きながら、4月ももう今日で一週間経っちまうという事実に驚愕しています。
近年のこの季節が巡るスピードの早さはたるや異常です。
やれやれです。

昨日、と言いましても日付けでは既に一昨日ですが、ダンス専科が終わりました。
わざわざ神楽坂まで足を運んでくださった皆様、本当にありがとうございました。

近頃はtagというグループでソロダンスの作品を創作しておりまして、舞台上に人間は私一人という状況の中で踊らせて頂く、ということばかりでしたが、ダンス専科では私含めまして11名の人間と舞台上に立ちました。

多勢で踊るということに戸惑うことは何度もありましたが、本番中、幾度となく作品の世界のにおいや音を深く感じながら踊りました。
この感覚は共演者は勿論、観に来てくださった皆様、4月5日という日、セッションハウスという場所、全部が関係してようやく得られる感覚だと思っています。

本番前、伊藤直子さんが「私は舞台ではいつも命をかけていますよ」と仰ってくださいました。
まっすぐな瞳で、力強く放たれたこの言葉を僕は生涯忘れません。

リハーサルでの舞台袖でふと、出会いっちゅーのは不思議やな、と思いました。
大学在学中、tagの宇山あゆみとは全く喋ったことがありませんでした。
そんな宇山が一年前の卒業式の二次会の席で「植田君、踊らない?」と唐突に誘ってこなければ、ダンス専科に出ていなかっただろうし、ダンスすら踊っていなかったでしょう。
あの時ベロベロに酔っ払った勢いで「任せろ」と口走ったおかげで、様々な出会いに恵まれました。

宇山に人生をぐるぐるかき回されとる感がハンパないです。

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